親族

Ⅲ. 親族
第2. 婚姻
1. 婚姻の成立
(1) 婚姻意思の合致
・「民法742条1号にいう「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ婚姻の届出自体については当事者間に意思の合致があつたとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻は効力を生じな。」(最判昭和44・10・31民集23巻10号1894頁)
〔裁判所ウェブサイト〕「将来婚姻することを約して性的交渉を続けてきた者が、婚姻意思を有し、かつその意志に基づいて婚姻の届書を作成したときは、かりに届出の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届出の受理により婚姻は有効に成立するものと解すべきである。」(判時596号43頁)
(2) 婚姻の届出
・「婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。」(§739Ⅰ)。
(3) 婚姻障害事由の不存在
・婚姻適齢:「男は、18歳に、女は、16歳にならなければ、婚姻をすることができな。」(§731)
・重婚の禁止:「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができな。」(§731)
・再婚禁止期間:「女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して100日を経過した後でなければ、再婚をすることができな。」(§732Ⅰ)。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合
・近親者間の婚姻の禁止:「直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。」
2 第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。
・直系姻族間の婚姻の禁止:「直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第七百二十八条又は第八百十七条の九の規定により姻族関係が終了した後も、同様とする。」
・養親子等の間の婚姻の禁止:「養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第七百二十九条の規定により親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができな。」
・未成年者の婚姻についての父母の同意:「未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならな。」
2 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。
成年被後見人の婚姻:「成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しな。」(§738)
(2) 婚姻の無効及び取消し
・「詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる。」(§747Ⅰ)。
(3) 婚姻の効力
・「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」

4. 離婚
(1) 協議離婚
・「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。」(§763)
・「成年被後見人が離婚をするには、その成年後見人の同意を要しな。」(§764, 738)
・「」

・「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならな。」(§819Ⅰ)。
(2) 調停離婚
・「裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。」(§819Ⅱ)。
(3) 審判離婚
(4) 裁判離婚

第3. 親子
1. 実子
(1) 認知
ア. 任意認知
・「嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。」(§779)
・「母と非嫡出子間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する。」(母の認知の空文化)(最判昭和37・4・27)。
・「認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しな。」(§780)
・「認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。」
・「嫡出でない子につき、父から、これを嫡出子とする出生届がされ、又は嫡出でない子としての出生届がされた場合において、右各出生届が戸籍事務管掌者によつて受理されたときは、その各届は、認知届としての効力を有する。」(最判昭和53・2・24民集32巻1号110頁)。
・「認知は、遺言によっても、することができる。」
・「成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができな。」
・「父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならな。」
・「父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならな。」
・「認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできな。」
・「認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができな。」
・「子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。」
・「認知者は,民法786条に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならな。」(最判平成26・1・14)。
イ. 強制認知
・「子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでな。」
・「認知の判決が正当な当事者の間に確定している以上、該判決は第三者に対しても効力を有するから、これに対し再審の手続で争うのは格別、もはや第三者も反対の事実を主張して認知無効の訴を提起することはできな。」(最判昭和28・6・26)
2. 養子
(1)
ア. 普通養子縁組
(ア) 縁組意思の合致
(イ) 縁組障害事由の不存在
・「成年に達した者は、養子をすることができる。」
・「尊属又は年長者は、これを養子とすることができな。」
・「」
(ウ) 届出
・〔裁判所ウェブサイト〕「認知の届出が事実に反するため無効である場合には、認知者が、被認知者を自己の養子とすることを意図し、後日、被認知者の母と婚姻した事実があるとしても、右認知届をもつて養子縁組届とみなし、有効に養子縁組が成立したものとすることはできな。」(最判昭和54・11・2)
(2) 特別養子

第4. 親権
(1) 
・「成年に達しない子は、父母の親権に服する。」
・「子が養子であるときは、養親の親権に服する。」
・「親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。」
(離婚又は認知の場合の親権者)
・「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
・「裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。」
・「子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。」
・「父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。」
・「第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。」
・「子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。
(2) 親権の効力
・「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」(§820)。

(居所の指定)
第八百二十一条 子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。
(懲戒)
第八百二十二条 親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。
(職業の許可)
第八百二十三条 子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。
2 親権を行う者は、第六条第二項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。
(財産の管理及び代表)
第八百二十四条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
(父母の一方が共同の名義でした行為の効力)
第八百二十五条 父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
利益相反行為
第八百二十六条 親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2 親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
・親権を行う者は、自己のためにするのと同一の注意をもって、その管理権を行わなければならない。
(財産の管理の計算)
第八百二十八条 子が成年に達したときは、親権を行った者は、遅滞なくその管理の計算をしなければならない。ただし、その子の養育及び財産の管理の費用は、その子の財産の収益と相殺したものとみなす。
第八百二十九条 前条ただし書の規定は、無償で子に財産を与える第三者が反対の意思を表示したときは、その財産については、これを適用しない。
(第三者が無償で子に与えた財産の管理)
第八百三十条 無償で子に財産を与える第三者が、親権を行う父又は母にこれを管理させない意思を表示したときは、その財産は、父又は母の管理に属しないものとする。
2 前項の財産につき父母が共に管理権を有しない場合において、第三者が管理者を指定しなかったときは、家庭裁判所は、子、その親族又は検察官の請求によって、その管理者を選任する。
3 第三者が管理者を指定したときであっても、その管理者の権限が消滅し、又はこれを改任する必要がある場合において、第三者が更に管理者を指定しないときも、前項と同様とする。
4 第二十七条から第二十九条までの規定は、前二項の場合について準用する。
(委任の規定の準用)
第八百三十一条 第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、親権を行う者が子の財産を管理する場合及び前条の場合について準用する。
(財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効
第八百三十二条 親権を行った者とその子との間に財産の管理について生じた債権は、その管理権が消滅した時から五年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。
2 子がまだ成年に達しない間に管理権が消滅した場合において子に法定代理人がないときは、前項の期間は、その子が成年に達し、又は後任の法定代理人が就職した時から起算する。
(子に代わる親権の行使)
第八百三十三条 親権を行う者は、その親権に服する子に代わって親権を行う。