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第1. 留置権

1. 効力
(1) 優先弁済的効力
・「留置権による競売及び民法、商法その他の法律の規定による換価のための競売については、担保権の実行としての競売の例による。」(民事執行法§195)。
(2) 留置的効力
(3) 収益的効力
2. 性質
・付従性
・随伴性
・不可分性:「留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。」(§296)
3. 要件
() (牽連性)
・「留置権者が留置物について必要費・有益費を支出しその償還請求権を有するときは、物の保存に必要な範囲を超えた使用に基く場合であつたとしても、その償還請求権につき留置権の発生を妨げな。」(最判昭和33・1・17)
3. 留置権者の権利
・果実収取権:「留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる。」(§297Ⅰ)
・「前項の果実は、まず債権の利息に充当し、なお残余があるときは元本に充当しなければならな。」(§297Ⅱ)。
・費用償還請求権:「留置権者は、留置物について必要費を支出したときは、所有者にその償還をさせることができる。」(§299Ⅰ)。
4. 留置権者の義務
善管注意義務:「留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有しなければならな。」(§298Ⅰ)。
5. 留置権の消滅
・担保の供与による留置権の消滅:「債務者は、相当の担保を供して、留置権の消滅を請求することができる。」(§301)
・占有の喪失による留置権の消滅:「留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅する。ただし、第298条第2項の規定により留置物を賃貸し、又は質権の目的としたときは、この限りでな【】。」(§302)
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第2. 先取特権
() 
ア. 物上代位権
・「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならな。」(§304)
・物上代位権と債権譲渡の優劣:「動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできない。」(最判平成17・2・22民集59巻2号314頁)。
・「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができる。」(最決平成10・12・18民集52巻9号2024頁)。

2. 一般先取特権 * 今日こそ日曜と覚える。
(1) 被担保債権
ア. 共益費用の先取特権(§306①)
・「」
イ. 雇用関係の先取特権
ウ. 葬式費用の先取特権
・「雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。」(§308)
エ. 日用品供給の先取特権(§306④)
・「日用品の供給の先取特権は、債務者又はその扶養すべき同居の親族及びその家事使用人の生活に必要な最後の六箇月間の飲食料品、燃料及び電気の供給について存在する。」(§310)
・「法人は、民法310条にいう債務者に含まれな。」(最判昭和46・10・21)。
() 効力
・「一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができな。」(§335Ⅰ)。
・「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。」(§329Ⅱ)。
・「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第330条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。」(§334)。
3. 動産先取特権
(1)  
ア. 不動産の賃貸借
・「不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する。」(§312)。
e.g. AはBに対し を土地を賃貸し、
・「土地の賃貸人の先取特権は、その土地又はその利用のための建物に備え付けられた動産、その土地の利用に供された動産及び賃借人が占有するその土地の果実について存在する。」(§313Ⅰ)。
e.g. AはBに対し を建物を賃貸し、
・「建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。」(§313Ⅱ)
イ. 旅館の宿泊(§311②)
・「旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。」(§317)
ウ. 旅客又は荷物の運輸(§311③)
エ. 動産の保存(§311④)
オ. 動産の売買(§311⑤)
e.g. AはBに対し動産を売
・「動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する。」(§321)
4. 不動産先取特権 *補講ばいと覚える。
ア. 不動産の保存
・「不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならな。」(§337)
イ. 不動産の工事
・「不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。この場合において、工事の費用が予算額を超えるときは、先取特権は、その超過額については存在しない。」(§338Ⅰ)
ウ. 不動産の売買
・「不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を登記しなければならな。」(§340)
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第3. 質権
1. 動産質
(1) 対抗要件
・「動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができな。」(§352)
(2) 
2. 不動産質
・「不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。」(§356)
3. 権利質
()
・「債権であってこれを譲り渡すにはその証書を交付することを要するものを質権の目的とするときは、質権の設定は、その証書を交付することによって、その効力を生ずる。」(§363)。
()
・「債権の目的物が金銭であるときは、質権者は、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができる。」(§366Ⅱ)
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第4. 抵当権
e.g. AはBに対し1000万円を貸し付け B所有の不動産に抵当権
1. 抵当権の性質
・不可分性:「」
・「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及。」(§371)
3. 抵当権者の権利
(1) 物上代位権
e.g. AはBに対し1000万円を貸し付け B所有の不動産に抵当権。Bは不動産をCに売却した。
・「抵当権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、抵当権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。」(§372, §304)。
・物上代位と債権譲渡の優劣:「抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。」(最判平成10・1・30民集52巻1号1頁)。
ウ 物上代位と相殺の優劣
e.g. B Cに対し不動産を賃貸した場合。
・「抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、抵当権者に対抗することはできない。」(最判平成13・3・13)
4. 抵当権の消滅
(1) 代価弁済
・「抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。」(§378)
(2) 抵当権消滅請求
・「抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しな。」(§396)